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国立図書館とは

図書館には幾つか種類がありますが、まずはその中の「国立図書館」について紹介していきましょう。国立図書館とは、国家またはそれに準ずる機関によって設置、運営される図書館を指し、日本においては国立国会図書館がこれにあたります。広義に国が運営する図書館をすべて国立図書館と呼ぶ場合もありますが、厳密に言うと国立図書館と言えば国立国会図書館を指すことになります。この国立国会図書館は日本で唯一、国内で出版された全ての出版物を保存、管理している法定納本図書館であり、その規模も国内最大級となります。

国立国会図書館の開館は1948年6月5日ですが、実質的にその歴史はさらに昔まで遡ることができ、国立国会図書館の歴史を知る上では前身となる帝国図書館を無視することはできないでしょう。また、国立図書館と同様の役割を果たす図書館は海外諸国にも設置されており、国立国会図書館はこれら海外の図書館への窓口としても機能しています。それぞれ国を代表する図書館ということで、その定義はユネスコによって基準化されており、内容は以下のようになります。


・納本制度により全ての出版物を取得し、それを保存、管理する。

・全国文献情報センターとしての業務を行うとともに、全国出版物目録の作成、整備、刊行を行う。

・ネットワークを通じて全国の図書館における書誌、目録情報を編成、提供することができる。


このように、ユネスコによって定義された国立図書館について日本では以上のような内容となっており、これに該当しない場合、その図書館を国立図書館と呼びません。これらの定義は国によってそれぞれ内容が異なります。

公立図書館とは

公立図書館は、一般の多くの人に利用してもらえるよう設置される、公共の図書館のことを指します。年齢や人種、性別や国籍、言語、宗教、社会的身分などを問わず、隔たりなく不特定多数の人に利用してもらい、読書や情報サービスを提供することを目的としています。ユネスコの定義もこれと同様のものであり、それだけにもっとも地域に根ざした身近な図書館であると言えます。また、日本においては図書館法第二条により、公共の図書館を以下のように定義しています。


・図書、記録その他必要な資料を収集し保存、管理をするもの。それを一般公衆に提供し、調査、研究、教養・知識の向上、レクリエーションに資することを目的とする。各都道府県や市町村または日本赤十字社など民法上の公益法人が設置、運営するものとし、これを図書館と定義する。


また、日本においては公共の図書館での利用代価の徴収は禁じられているため、一般的には「公共に開かれた無料で利用できる図書館」を公立図書館、公共図書館と定義することができます。しかし、私立の図書館に関しては同じような公共図書館であったとしてもこればかりではなく、利用代価の徴収も法によって規制されていません。そのため、図書館法における定義としては、公立図書館に無料で情報提供を行う公立の図書館を限定的に指す場合があります。とは言え厳密に言えば図書館法により公共図書館を明確に定義しているわけではなく、全て「図書館」として統一しているため、一般認識とは別に法的根拠に基づいた定義を行うことは難しいとされています。

大学図書館とは

大学図書館とは、各大学によって収集、保存管理されている資料や情報を公開提供している図書館を指しますが、一般の公共の図書館とはその内容、情報傾向に違いが見られます。公共図書館においては雑誌や小説、絵本やビデオ、最近ではDVDを鑑賞するためのシステムやインターネットを楽しむための端末システム、オーディオシステムなども充実されており、調査や研究に加えて娯楽性も重視した内容となっている場合がほとんどですが、大学図書館の場合は学生や研究者の学習、研究などを支援することを目的としていますから、所蔵する資料などの内容も学習用資料や各専門分野の研究資料、実用書、参考書といった類のものとなります。

「学習用資料」と「各専門分野の研究資料」が大学図書館における大きな二大要素となりますが、まず「学習用資料」というのはその名の通り、授業などで使用するような学習書や入門書、参考資料などが挙げられます。また、歴史や伝統文化を内容として取り扱ったビデオなどもこれに含まれます。一方「各専門分野の研究資料」は専門書や統計資料などのことを言い、何らかの調査や研究に用いられるようなデータ情報から、専門的情報に特化した専門書などまでを指します。こういった大学図書館の性質から、学生や研究者、また、これから資格を取ろうとしている人といった「学習を目的とする人」にとって、もっとも理想的な環境と情報が備えられた図書館であると言えます。

学校図書館とは

学校図書館とは、大学図書館と同様教育施設などに併設された図書館を指しますが、学校図書館の場合は小学校や中学校、高等学校、中等教育学校など、初頭教育を行うための学校に設置された図書館に限定して定義されます。また、昭和28年に制定された学校図書館法第2条においては、図書、視覚聴覚教育の資料その他学校教育に必要な資料などを収集し、整理、保存保管し、これを児童、生徒、教員の利用に供することにより、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童や生徒の健全な教育を育成することを目的とする──と定義されています。

学校における図書館の設置は、児童や生徒の教育において非常に重要なものと認識されているため、学校図書館法第3条において初等教育、中等教育をするための学校には学校図書館を設置しなければならないとされています。またそれと同じくして、同法第6条によってそれらの整備や内容の充実に努めることが義務付けられています。それぞれ教育段階に応じて収集される本の内容も異なってきますが、児童などを対象にした学校図書館では絵本など児童向けの本が充実され、中等教育の段階にある学校となれば小説などといったものから参考資料、研究資料、また、学問に用いる参考書などもある程度揃えられるのが普通です。公共の図書館とは違い、教育を受ける児童や生徒を対象にした図書館であるため、各学校の教育方針などによって内容に多少の差異が見られます。

専門図書館とは

専門図書館とは、文字通りある特定の分野に関して専門的に取り扱った図書館のことを指します。公立私立を問わず、一定の分野を専門的に扱う図書館をこのように定義しますが、多くの場合は企業や民間団体、個人などで設置、運営され、またその内容も科学に特化した専門図書館や日本の歴史を扱う専門図書館、芸術について、ファッションについて、経済やビジネスについてと、実に様々なものが存在します。これらは事業を行う組織の業務を支援することを目的として設置されますが、定義としては非常に幅広いものとなってしまうため、大きな区分として以下のように示すことができます。


・企業や事業者などが、その業務に必要な資料や情報を社員に提供するために設置した図書室や資料室。

・企業や博物館、資料館などが保有している、特定の内容に基づいた文献資料、またその他の情報を収めたものを一般に向けて公開することを目的とした図書館。

・病院図書館や刑務所図書館など、特定の条件下または限定された環境に置かれた人を対象として利用されることを目的とした図書館。


専門図書館は、ある特定の分野に特化して専門的に情報を収集するわけですから、公共図書館や学校図書館、場合によっては大学図書館など他の図書館よりもより充実した資料を所蔵している場合が多々あります。そのため、その特質を活かすために専門図書館協議会において、大学図書館などと協力して図書の賃出などを行っているものもあります。