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図書館司書試験科目
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図書館学について
さて、司書になるための実際の科目として、どのようなものを勉強しなければならないのでしょうか。図書館司書試験の科目内容について少し触れてみましょう。
最初に断っておかなければなりませんが、ここで言う「試験」とはつまり「司書講習における評価」を基本とします。実質的に一般の資格取得の際に実施に伴うような、司書になるための明確な評価基準、判断基準とされる「資格試験」なるものは存在しないわけですから、一概に「試験内容の具体例」というものを挙げることはできません。評価の手段となるテストやレポートなどの内容に関しても各々の講師によって多少の違いがあるので、ここではあくまで一般的に扱われる司書としての知識をベースに話を進めていきます。
司書としての基本的な知識としては図書館学が代表的であると言えますが、この「図書館学」というのは、その名の通り「図書館における全般的な知識」を網羅した内容であると言えます。図書館運営のための知識や、またそれらに関連した技術、技能、知識、思想などを指すことができ、また、これと類似した学問として「図書館情報学」というものもあります。図書館に関する全般的な情報を内容として扱うためその範囲は非常に広く、図書館を経営するための図書館経営論から、図書館利用論、図書館メディア論や図書館資料論などと、図書館学の分野として様々な分野が存在しています。これらに加え、専門資料論やコミュニケーション論などと言った分野も、司書に必要な知識となってきます。
生涯学習論について
この「生涯学習論」も司書資格を取得するにあたって必要な知識の一つとなってきますが、厳密に言うなればこれは図書館学とは異なった分野を論じた内容となります。簡潔に内容を説明しますと「生涯にわたって学んでいこう」という事を説いたものであり、国際連合教育科学文化機関(United Nations Educational Scientific and Cultural Organization、頭文字を取って、通称としてユネスコと呼ばれる)のポール・ラングラン氏によって1965年に初めて提唱されたものです。
もともとは「生涯学習」ではなく「生涯教育」とされていたのですが、これは一昔前の「教師や講師、親などの指導から学ぶ」といった考え方から、近年の「自発的に学ぶ」という考え方へと移り変わった社会背景、つまり、時代の文化や風潮などから、20世紀はじめあたりより概念が変わってきたものであると言えます。また、当時は主に教育を受ける側である「こども」を対象として唱えられたこの考え方も、近年では特に大人をターゲットとして「キャリアアップ」や「スキルアップ」を合言葉にしばしば説かれます。勉学のみならず、趣味や娯楽などにおいて広く多用されるようになってきている言葉であるというのも注目したいところです。
図書館司書においては、本という知識の泉に囲まれて仕事をこなすという職務的性質にあるため、そういった環境を無駄にしないためにも学んでおきたい学問であると言えます。また、司書としてだけではなく、一つの教養として非常に意義のある分野であると言えるでしょう。
レファレンスサービスについて
レファレンスサービスとは、いわゆる「図書館利用案内」ということで、利用者が必要としている資料が見つからない場合や、図書館の使い方がよく分からない時などに、その案内をする業務を指します。これは単に図書の案内などに限らず、たとえば利用者の研究や調査などにどのような資料を参考にすれば良いのかといったアドバイスなども含むため、図書館司書として身につけなければならない専門的知識、技能であると言えます。こういったレファレンスサービスを行っている図書館においては、専用のレファレンスカウンターなどが設けられている場合がほとんどです。
具体的な内容としては「資料などの探し方が分からない」「図書館の利用のしかたが分からない」といったものに対しての対応をはじめとし、「他の図書館にしか所蔵のない資料のコピーや現物を取り寄せたい」といったものへの対応やデータベース利用の案内、また、「購入を希望したい資料、文献、本がある」といった利用者の対応までを含みます。こういったものに対して図書館司書は資料の取り寄せやその複写の取り寄せ、政府資料等普及調査会利用のための紹介状の発行などを行います。
レファレンスサービスにおいては「レファレンス資料」という言葉がしばしば用いられますが、これは研究や調査、学習などに必要なデータを一定の形で管理されているものを指し、辞書や辞典、ハンドブックや年鑑、書誌、所蔵目録から索引など様々なものが管理されています。利用者が調べ者などに際しどういったレファレンス資料を利用すれば良いのか、的確に判断できる知識と判断力が、図書館司書には求められます。
図書館資料論について
図書館資料論は、図書館法施行規則に定められた「専門資料論」「資料特論」に基づきます。これは主に図書館における通常の業務において、普段あまり扱われないような特殊なもの、また、特殊な取扱を必要とするようなものなどについて学ぶための科目です。
たとえば原典資料や研究文献などがこれに当たり、加えて一般向けの資料の一部までを含めて図書館学では「一次資料」と呼ばれます。そしてこれらを検索するために利用されるもの(目録や索引といったもの)などは二次資料と呼ばれ、それぞれ明確に区別されています。原典資料は主に研究などに用いられる資料を指し、これもまた原本、影印、翻刻などに分類されます。影印とは何らかの手段により原本の内容を写し取り、それをそのまま収めた本などを指しますが、本の大きさや形までも原本通りのものに対しては複製と呼び、影印とは更に別に区別されます。翻刻は文字フォントなどを訂正し、読みやすく再現された本を指します。
このほか、専門的な知識に基づいて書かれた内容の資料などを分かりやすく書き直したものや雑誌、新聞の記事、コラムなどを一般向け資料とし、また、初歩的な学習を必要とする人などのために簡潔に分かりやすく工夫された資料などは児童・生徒向け資料として区別します。図書館司書は、これらの資料の内容をよく知ると同時に、これらがどのような目的で作られ、どういった利用のされ方をするのかを理解する必要があります。
情報検索演習について
情報検索演習では、文字通り情報検索システムを実際に利用して必要な情報を検索し、情報検索システムへの理解を深めるとともに図書館の役割について知るということが目的とされています。今では資料や文献が保管されている場所をネットワークコンピューターなどですぐに検索できるシステムが導入されている図書館も多くなりましたが、こういったコンピューターシステムへの理解を深め、使用方法などを十分に把握しておくということも図書館司書にとって大切な仕事の一つとなります。
今でこそパソコンなどのコンピューターが一般的に普及していますが、昔はそのようなシステムというのは一般的でなく、図書館においての検索システムなどを十分に使える人が少なかったため、図書館司書としてこういった科目が必要とされました。また、利用者に代わって情報の検索を代行してくれるこのような専門家を、サーチャーと呼ぶこともあります。
必要な情報を検索するための情報検索システムとしては、主にCDチェンジャーやネットワークを利用したスタンドアローン型の検索マシーンが導入されている場合も多いですが、そのほかにも通信回線でホストコンピューターへとアクセスするオンライン型の検索や、インターネットを通じてデータベースのサーバーにアクセスするインターネット検索型などもあります。現在では情報検索システムとしてこのインターネット検索型がもっとも一般的であると言えるでしょう。
資料組織論について
資料組織論とは、図書館における効率的な資料の保管、分類管理、データベース化などを行うための諸要素を扱う、図書館学に基づいた学問です。資料組織論では書誌コントロールという考え方が用いられますが、これは資料などの管理の仕方について特化した考えであり、これによると資料や文献などはただ保管されるだけでは意義を帯びず、それらを利用しやすい管理体系を構築し、そうして利用者に利用されてからはじめて活かされるといったものです。つまり、保管管理する資料などを本当の意味で真に活用するため、もっとも理想的な管理体系を築き上げることを目的とした学問であると言えます。
資料組織論は分野として大きく「目録」と「分類」とに分けることができますが、まず「目録」というのは保管する資料、文献などの書籍をデータ化するための方法について触れています。記述目録法では資料のタイトルや出版社、出版年、責任表示、ページ数といった概要をまとめ、それらのデータを参照することによって資料そのものの情報を容易に把握することが可能です。主題目録法では前述のデータに加えてその資料の内容などについてもまとめ、目的に応じた資料にアクセスしやすい管理体系が作られます。なお、主題目録法は「分類」と「件名」の二つに分けられ、分類では資料の管理に数字が用いられ、「件名」では言葉で具体的に内容を示します。前者は図書館内の保管場所などを検索するのに効率的な管理方法であり、後者は資料の内容を参照しながら必要に応じた資料を検索するのに役立ちます。